新版 京都音楽空間  

◆定価:本体1,200円+消費税  部 
 


BAR・喫茶・ライブハウス・レコード屋など
老舗から注目の新店まで、いい音が聴ける店、45軒を紹介!


60年代様々な音楽ムーブメントを生み出し、現在も当時の空気が残る京都。
名盤の流れる喫茶店、伝説を生んだライブハウスやBAR、レコード店など、
「音の箱」である京都を美しいビジュアルで紹介します。
2003年に刊行し好評を博した「京都モザイクシリーズvol.5 京都音楽空間」の改訂・増補版です。
◆判型:B6判 ◆総頁:140頁+折込地図 ◆定価:1,260円(本体1,200円+消費税)
◆ISBN 4-86152-093-2 C0073

● 目次 ●

”時代”がつくられた場所。 legendaryplace

blue note/ハロー・ドーリイ/六曜社/YAMATOYA/ほんやら洞 etc.

ゆるやかな午後。傍らに音楽。 music cafe and diner

クンパルシータ/LUSH LIFE/バール・カフェジーニョ/ZANPANO etc.

音と人が醸しだす、親密な空間。 music bar

BAR Prestige/SMALL TOWN TALK/ Galaxie 500/トランジスタ・ラジオ etc.

ライブであることの理由。 live spot

拾得/礫礫/アバンギルド/ル・クラブジャズ/LIVE SPOT RAG

地下へと続く階段の先には。 club spot
METRO/COLLAGE/THE WELLER'S CLUB/ EAST/世界 WORLD

手には楽器を、耳には名盤を。 musicstore
民族楽器コイズミ/WORKSHOPRECORDS/PROTOTYPE/HARD-BOP etc.


音楽の聖地”京都の変遷
京都で聴く”名盤”紹介
京都と音、あれこれ。 ほか、読み物も充実。




● 書評掲載 ●

京都音楽空間−音に出会える店案内  


東京に一極集中化した出版業界にあって、京都には他府県と違った特徴がある。地元出版社がとても元気なのだ。「京都本」コーナーは地元京都で売れるジャンルのひとつでもある。
テレビ欄もないのに毎月「○○ウォーカー」よりも売れる京都の化け物情報誌「Leaf」。全国的にベストセラーとなった「京都時代map」の光村推古書院。最近では今年の春いきなり10点刊行した「らくたび文庫」のコトコト。どの版元も販売実績がすごい上に、その版元社主や営業マンと書店人が気軽に飲みにいけるような交流関係ができている。

そして今回ご紹介したいのは青幻舎の『京都音楽空間』。青幻舎は美術書系の版元。出版目録を開くとそこにはどれも美しく贅沢な装丁の書籍ばかりだ。(中略)
『京都音楽空間』は京の音楽シーンをカフェからレコード店まで幅広く紹介したひと味違った京都本だ。音楽のジャンルもジャズからクラブミュージックまで様々、京都の印象がかわるはず。
全ページ少しもやのかかったような憂いのある写真で統一。見開き2ページを使って1点を贅沢に紹介している。
店の成り立ちや店主の人柄はもちろん常連客、店のスタイル、雰囲気や匂い、熱気のようなものまで伝わってくる。掲載店の多さをアピールするような従来のガイド本とは一線を画しているのだ。

本書で私が惹かれたのは「ZANPANO」。夕暮れ時の写真が静かな余韻を残している。この店がある左京は、鴨川と疎水の流れ、糺の森や銀閣寺といった古刹と京大などの学生の街が交差。静と動、雑多な空間に洒落た店が点在する複雑で面白い街だ。(中略)

本書によると京都の音楽ムーブメントは60年代に起こったとか。60〜70年代といえば大学紛争〜団塊の世代の青春時代だ。
熱い京都を知っている彼らにこそ読んで欲しい。魅力ある大人にお薦めしたい1冊だ。



―2007年7月号 日販通信「わが店のイチオシ本」
京都市下京区パルナ書房 店長 久野敦史
※パルナ書房サイト  http://www.palna.net/



フォークやジャズの'聖地'巡礼  

京都は伝統と革新が入り交じる不思議な街でだる。今も祇園の小路から三味の音が漏れ聞こえ、京情緒を醸し出すかと思えば、71年前、ベートーベンの「第九」が、この地で関西初演されたことを知れば、あらためて懐の深さに驚く。
タイトルにある「音楽空間」とは、邦楽でもクラシックでもない。ジャズやフォークなどの「ポピュラー音楽」だ。そんな分野においても全国の先駆をなした京都に、今や新しい伝統さえ築かれつつあるらしい。

本書は、古都に根を下ろす軽音楽シーンの数々を巧みな写真で切り取り、6つのブロックに分けて解説したものである。
初めの書「レジェンダリー・プレース」では、1972年、上京区今出川通に誕生するや関西フォークの聖地と化した「ほんやら洞」など、文字通り'あの時代'がつくられた「伝説的な場所」を紹介する。
所狭しと張られたチラシやポスター、穴蔵のような空間は、一般の美的感覚からは遠いようにも思えるが、無性に懐かしさが込み上げる世代も多いはず。
続いてカフェやバー、ライブハウス、クラブ、楽器・レコード・CD店の順に、それぞれ強く自己主張する個性的なスポットが次々飛び込んでくる。
お気に入りの音楽をバックに、ワイングラスでも傾けながらページを眺めれば、いつしかくだんの店に身を置いているかのような気分になり、心が徐々に安らぎのムードに入る。

神戸在住のシンガー・ソングライターで、現在、ラジオ関西のDJも務める中村よお氏によるエッセー「京都という音楽の磁場に惹かれて」や、漫画家ひさうちみちお氏らが書く「'音楽の聖地'京都の変遷」など薀蓄と含蓄に富んだ話が、単なるガイド本に堕しない、格好のスパイスとなっている。

本書を締めくくるコラム「中古レコード屋店主の呟き」は、恐らく多くの「音楽バカ」の心境を代弁していそうである。心当たりがあれば、本書を十二分に楽しめる。
「着るものにも無関心、服買う余裕があればレコードを買う。旅行に行くにもレコード屋の有無が重要。時間があればちょっと観光…」

(編集委員・山崎整)


― 2007年7月1日(日) 神戸新聞



京都音楽空間 

京都の町には音楽がよく似合う。「文化発信の最前線基地」と言われ、1960年代から80年代にかけて、さまざまな音楽家が京都を舞台に活躍した。今も、そんな音楽の遺伝子が脈々と受け継がれている。

シンガー・ソングライターが店主を務め、自家焙煎コーヒーとホームメードドーナツで有名な「六曜社」、関西フォークのメッカと呼ばれ、数々の伝説が生まれた「ほんやら洞」など、45カ所の音楽スポットを豊富な写真入りで紹介。ファンにはたまらない一冊だ。


― 2007年5月6日 (日)京都新聞