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コンテンポラリーアート

秘密の知識 (普及版) ディヴィッド・ホックニー (完全日本語版)
―巨匠も用いた知られざる技術の解明―

山口晃氏推薦!

この本にはとてつもない秘密が書かれている
絵画史どころか人類史にかかわるような事だ。
読むと読まぬでは文明観がまるで違ってしまうかもしれないだろう

ダ・ヴィンチやカラヴァッジョをはじめ、西洋絵画における巨匠たちの作品制作に鏡やレンズがいかに用いられたか―――
待望の廉価版!

現代の巨匠、ホックニーが科学的、視覚的根拠により初めて実証した好著。500点に及ぶ膨大な絵画やスケッチの複製がホックニーの解説とともに掲載。さらに多くの古文書や近現代文書の抜粋が、一層興味深いものとして示されている。
主な掲載作家は、カラヴァッジョ、デューラー、ベラスケス、ファン・エイク、ホルバイン、レオナルド・ダ・ヴィンチ、アングルなど。豊富な図版、詳細な解説は、美術学的にも必携の大著。
世界中で一大センセーションを巻き起こした美術史における新発見。
図版:510点(カラー図版422点)

翻訳:木下哲夫

秘密の知識 (普及版)
ディヴィッド・ホックニー
(完全日本語版)
―巨匠も用いた知られざる技術の解明

□ 判型:A4変
□ 総頁:268頁
□ 並製
□ ISBN 978-4-86152-257-4 C0070

定価:6,500円+消費税
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書 評

絵画と光学の関係性を解明

ポップ・アーティストとして一九六〇年代華々しいデビューを果たし、国際的評価も極めて高いディヴィッド・ホックニーが、二年間にわたる調査、研究の末、二〇〇一年に著した大冊、待望の邦訳である。

彼は、名画の描き方に着目し、画家の目で光学と絵画技法の関係性を探る。十七世紀のオランダの画家フェルメールが、カメラの前身といわれるカメラ・オブスクーラを制作時に使用したことは知られているが、ホックニーは十五世紀にまでさかのぼり、西洋画家の線遠近法と光と影の表現は、光学的に投影された映像観察から生じていると仮設する。そしてヤン・ファン・エイクやカラヴァッジョ、アングルといった多くの画家たちがレンズ、鏡、光学機器を用いて絵を描いていたという確信にたどり着く。

三次元の世界を二次元にいかに写し表現するか―。絵画の歴史とは、優れた表現を求めて画家がさまざまな技術を試み、格闘してきた足跡でもあるのだ。彼のアプローチや新解釈は、発表されるやいなやセンセーションを巻き起こしたが、その仮説が全面的に受容された訳ではない。しかし、理解を示した科学者たちの協力を得ながら、ホックニー自身が、レンズ、鏡、カメラ・ルシーダと呼ばれる光学機器を用いて絵を描き続け、当時の技法の実証に迫る様子は、美術史家の発想ではたどり着けない洞察力と情熱とに満ちている。

本物を何回も見に行くとともに、彼は十四世紀から十九世紀までの絵画の変遷を一望するため、アトリエの壁面に名画のデジタルコピーを様式と年代順に並べ、つぶさに比較検証する。ホックニーがグレートウォール(万里の長城)と呼ぶ複製の列は、二十メートル以上にも及んだそうだが、今日の高度な複製技術の恩恵で、彼の検証も可能になった。

収録されている豊富な図版をホックニーの解釈に沿って見てゆくのは、謎解きにも似た驚きがあり、興味はつきない。(逢坂恵理子・水戸芸術館現代美術センター芸術監督)

― 2006年11月26日(日) 共同通信配信

秘密の知識 ―巨匠も用いた知られざる技術の解明―

往年の巨匠が描いた緻密で秀逸な描写の名画の数々。誰もが「どのように描いたのか」と疑問を抱き、それは画家の神業的な技量の賜物であるとしてきた。

しかし、著者でありアメリカに拠点を構える具象画家ディヴィッド・ホックニー(1937年イギリス生まれ)は、鏡やレンズなど光学装置を用い、細部にわたり写し取って描いたのではないかと大胆な仮説を呈す。

研究のきっかけとなったアングルの肖像画をはじめ、ダ・ヴィンチ、ラファエロ、ミケランジェロ、カラヴァッジョ、ベラスケスなどのカラー図版約450点を含む500点余の作品とスケッチを用いて、科学的、視覚的根拠を基に詳細に解説。

劇的に変化してゆく人物の表情や衣類など布の描写と、光学装置がもたらした遠近と明暗の表現の変遷をたどってゆく。世界15カ国で翻訳されたベストセラーの日本語版。

― 2006年11月11日(土) 新美術新聞掲載

秘密の知識 ディヴィッド・ホックニー著

なぜ、かつての画家たちはあれほど緻密な絵画を描くことができたのか。なぜ作品と瓜二つのデッサンが存在するのか。フェルメールがカメラ・オブスクラを使う以前から画家たちに伝えられる秘密の知識があった。鏡のレンズを用いて、手元に驚くほど鮮明な像を映し出していたのだ……。現代イギリス絵画の巨匠ホックニーが、500点余りの作品図版とテキストによって繰り広げる大胆な仮説。(深澤)

― 2006年11月号 美術手帖『BOOK WORM』掲載

秘密の知識 ディヴィッド・ホックニー著

人間の目は主観的であやふやなのに、西洋の絵画は時に写真以上に細部まで写実的である。本書はルネサンス期から写真が発明された十九世紀まで、巨匠たちが描いた五百点以上の絵画を対象に、彼らがいかに鏡やレンズを用いて作品を仕上げていたかを実証している。

光学的な道具により遠近法や明暗法が発明されていった経緯などを、鋭い洞察力で論証する。写真はカラヴァッジョの「病めるバッカス」。レンズとモンタージュの技法を使って描いていると言う。木下哲夫訳。

― 2006年10月29日(日) 東京新聞掲載

秘密の知識 ―巨匠も用いた知られざる技術の解明―

図版に揚げた2枚の素描。一枚は1829年にアングルが描いた「ルイ=フランソワ・ゴディノ夫人」の肖像画。一枚はアンディー・ウォーホルの「ケルン大聖堂」の素描です。

画家、ディヴィッド・ホックニーは「二枚の絵には共通点がある」といっています。線が同じだというんです。

ウォーホルの素描は、カンヴァスにプロジェクターで映写した写真をなぞって描いたものだというのは、絵を描く人なら一目でわかります。

そして、言われてみれば、アングルのデッサンの、とくに服を描いている線には、たしかによく似た特徴が見てとれる。つまり、共通するのは写真をなぞっている線だった。

ところで1829年には、まだ写真は発明されていない、から無論のことプロジェクターがあるわけもない。この十年後の1839年に写真は誕生します。ダゲレオタイプの発明です。何故、発明もされていない写真を、アングルはなぞることができたのか?

ナゾは、この方向からではなく、あまりにも、超人的に正確なアングルのデッサンを「いったいどうやったら、こんなふうに描けるんだ?」と同業者としてホックニーがいぶかるところから始まった。

そうして、このナゾは、とんでもないところまで、我々を連れていく。面白いです。絵画史を塗り替える画期的な本。(南 伸坊)

― 2006年10月22日(日) 朝日新聞掲載

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