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写真(国内・海外)

attitude 田村尚子

当代の俳優、ミュージシャンたち15人。
内なる心のふるえや佇まいを写しだす。

NHKBSハイビジョンにて放映され、好評を博したドキュメンタリー番組『男前列伝』。
本書では、番組収録時やロケの合間に撮り下ろされた、15人の男性俳優、ミュージシャンたちのポートレイトを厳選して収録します。
東北の原野、鳥取の砂丘…、各回ロケに同行し、自然光のもと撮影された写真の数々は、身体で表現することに自身の生を見出した俳優たちの豊かな表情や存在感を写しとっています。
撮影状況下の空気ごと現前させるかのような、やわらかな場の再生性を帯びた珠玉のポートレイト作品集。
『Voice』(青幻舎)刊行後、8年ぶりとなる田村尚子の新作。

被写体
井浦新 / 山本耕史 / 中村獅童 / 市川猿之助 / 田島貴男
松重豊 / 石橋凌 / 山本太郎 / 佐野史郎 / 三上博史 / 市川春猿
津田寛治 / 石井竜也 / トータス松本 / 光石研(敬称略、掲載順)


写真
:田村尚子
アートディレクション
:秋山伸

 

プロフィール
田村尚子(たむら・なおこ)
東京、京都、フランスを中心に活動。近年の展覧会に、短編映画『赤ずきん』(青山真治監督)のスチール・インスタレーション展(vacant原宿)、フランスのラ・ボルド 精神科病院の日々を中心とした個展(タカ・イシイギャラリー京都)などがある。ピーター・ブルック、ペドロ・コスタ、ジョセフ・ナジなど映画・舞台芸術家のポートレイトを長期に亘り撮影。

attitude
田村尚子

サイン本はこちらから

□ 判型:B5
□ 総頁:136頁
□ 並製

□ ISBN:978-4-86152-347-2 C0072

定価:2,800円+消費税
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書 評

産経新聞 ―2012/7/29付掲載

井浦新、山本耕史、中村獅童、市川猿之助、田島貴男…。テレビのドキュメンタリー番組に出演した俳優やミュージシャン15人を、収録現場を訪ねて撮影している。それぞれの表情を鑑賞するのも楽しいが、それだけで本を閉じてしまったのではもったいない。
 タイトルは「態度、姿勢」という意味。そういう内的な要素を、写真家がどう描くのか―が見どころだ。正面からグッと寄ったカットもあれば、さりげない路上スナップもある。点景のように捉えたり、本人が写っていない画面さえ挟み込む。思索をうながされる写真集。(存)

週間読書人 ―2012/7/20付掲載

写真集「attitude」刊行記念
佐野史郎×中村獅童×田村尚子 トークショー


7月3日、東京・原宿で、俳優・佐野史郎、歌舞伎俳優・中村獅童、写真家・田村尚子という異色の三人によるトークショーが行われた。
間を繋ぐのは写真集『attitudeー男たちの肖像』(青幻舎)だ。
本書の写真は、NHKBSハイビジョンで放送されたドキュメンタリー番組「男前列伝」の番組収録時に撮影された。旬な俳優、ミュージシャン15名のポートレートが収められ、佐野さん、中村さんも被写体となっている。
写真好きの佐野さんは「ここまでいい仕上がりはなかなか無い、と思うような印刷です。
こういう印刷にするのはお金がかかるんですか?」「お金ではなく、情熱と手間でしょうね」。

放映番組は「伝説の男前を現代の男前が案内する」という内容で、佐野さんは、幕末から明治維新を生きた浮世絵師の月岡芳年を、中村さんは脚本家で俳優の金子正次の足跡を辿った。
「金子さんの「竜二」という映画に出合ったのは15歳のとき。金子さんの存在感に衝撃を受けました。金子さんは「竜二」の公開中に33歳の若さで亡くなったのですが、島から上京するときに、自分は役者として天下を獲ると、主役にこだわり続けた男でした。
自分も憧れて歌舞伎の世界に入ったけど、父が早くに廃業してたので「獅童君が歌舞伎で主役やるのは無理ですよ」というようなことを言われたこともあり、自分だけの生き方を探していたので、金子さんのスピリットに影響を受けました。今回の番組をやらせていただいたのは大きなことでした」と語った。

「現場で、撮らなければいけないという使命はありますが、与えられたシーンを撮って帰るだけではさみしい。コミュニケーションが存在して撮るか撮らないかは全然違うのではないかな。合間に一緒に散歩させていただいたり、番組撮影と関係ない場所で話をしながら撮らせていただくこともありました。
距離感は大事だと思うんです」と田村さん。
撮られる側の佐野さんは「コミュケーションがとれているかいないかは一目瞭然。レンズの前に日々いる人間としては、レンズとの距離感やその向こう側みたいな意識は職業的に感じるものですよね」。
田村さんからの、「レンズの奥に自分を映し出すものとして、鏡のようにレンズを見ているのでしょうか」との問いには、「カメラの向こう側とこちら側というよりは、穴があいていて、あちらとこちらを行き来できるようなそういう感覚はあります。でもまずは、「ここ」でやりとりをすることにウソがないようにすることにエネルギーを使い果たす。
それを撮ってもらっている感じかな」と語った。
中村さんは「よく演じていて素じゃないですか?と言われるけれど、演技してるに決まっているじゃないですか(笑)。でも矛盾しているかもしれないけど、自分でも自分が分からないからこそ役者をやっているのかもしれないし、自分にはこういう一面もあるのかと監督に気付かせてもらうこともある。一生かけて自分というものを追い求めて、これからもいろいろな役を演じて行くのかなと思います」。
文字のないモノクロ写真数枚から伝えられる俳優・ミュージシャンたちの息遣いと姿勢。
「俳優は、文字を身体を通して空間に立ちあげているという感覚なんです」と佐野さん。
写真集から立ちあがる言葉を、味わっていただきたい。

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