デジタルカメラの記憶容量は案外早く、いっぱいになる。
写真家として撮り続ければ、画像ストックはどこまでも膨れ上がっていくだろう。
加えてけた外れに高精細な機材も開発されている。デジタル画像の増大はとどまるところを知らないが、
その現実と向き合った俊英の写真集である。
日本とアジア各地での撮影。おびただしいカットから選ばれたのだろう。そのすべてが細部まで立ち上がり、
鮮明な色彩とともに網膜を打つ。
銀塩写真の味とは違った、むき出しの画像の力が生々しい。
分割撮影した写真を継ぎ合わせた作品もあるようだ。
異様に高精細なイメージはふと不安な気持ちさえ抱かせる。
興味深いのは、視線の向かう先だ。
物を集積した小屋や自然発生的な集落、廃品、繁茂する植物、枯れる花―
生物を含め、膨大な物量が絶えず変転する様子をとらえている。
デジタル画像の”量”によって見い出された、新たな世界像と言えるかもしれない。
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