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コンテンポラリーアート

Encyclopedia of Flowers–植物図鑑 サイン本

瞬く間に朽ちゆき、死への時間を刻んで姿を変容させていく花々。
東信と椎木俊介の二人は、365日、こうした花々の生き死をその手で触れ、対峙し続けてきた。昨年刊行した初作品集にして記念碑的な『2009-2011 Flowers』につづく第2弾となる本書は、作家表現や作品集といった枠組を超え、あまねく多くの人々に、自然のみが有する美しさ、その尊い生命を伝えることに徹底して取り組んだ普及版であり、さながら、現代における「植物図鑑」のスタンダード版である。

本書では200点を超える写真を収録し、収められた植物は、数万本、1600種を下らない。 それらは、現在、世界最大の花卉市場である日本で育てられた花々は勿論のこと、遠く遥かアマゾンの熱帯雨林やアジアの湿地帯、厳しい自然環境に原生する植物が、海を渡り、季節を越えて東京に集められたものである。

■200点を超える写真と1600種以上の植物を収録。
■巻末には、実用性を考慮し、掲載植物をすべて特定し、学名・和名を記した索引を付す。

著者プロフィール
東信[あずま・まこと/1976–]と椎木俊介[しいのき・しゅんすけ/1976–]は、2000年より共同し、花や植物を用いた作品を制作しはじめる。2002年には、注文に合わせて花材を仕入れ、花束をつくるオートクチュールの花屋「JARDINS des FLEURS」を構える。こうした花屋としての活動に加え、2005年頃から、東の花や植物による造形表現が、海外から注目を集めはじめるようになる。
ニューヨークでの個展を皮切りに、パリのカルティエ現代美術財団での実験的なアートパフォーマンスやデュッセルドルフのNRWフォーラムといった美術館やアートギャラリーでの作品発表を積みはじめる。
時を同じくして椎木は、花や植物のみが有する自然界特有の色彩や生命力、神秘性を鋭く切り取っては、刻々と朽ちゆき、姿かたちを変容させていってしまう生命のありようを写真に留める活動に傾倒していく。

Encyclopedia of Flowers–植物図鑑 サイン本

□ 判型:B5判
□ 総頁:512頁
□ 並製

□ ISBN:978-4-86152-355-7

定価:3,200円+消費税
在庫切れです。

書 評

植物図鑑 ―Pen 10/15号掲載

儚く濃密な、花の生命が薫る。

 オートクチュールの花屋があると聞いて、取材に行ったことがある。「JARDINS des FLEURS」という店で対応してくれたのは、本書の著者でフラワーアーティストの東信さん。販売用の花など1輪も置いていない、静謐な空間だった。「花はオーダーをいただいてから、そのイメージに沿って仕入れるのです」と語る東さん。口調は穏やかだったが、毎回ゼロからスタートしてオーダーに沿ってアレンジメントを仕上げる、このスタイルは、確固たる意思がないと貫けない。しかしその時は、東さんのスタイルのアウトラインを理解しただけだった。彼が花に触れている姿を見ることができなかったからだ。
 本書を手にして、ようやく東さんと花との関係が見えた。前書きに「紙という器に花束を生けたに過ぎない」とある通り、彼の花への想いが凝縮しているのだ。ビジネスパートナーの椎木俊介さんの手で写真に収められた花たちは、どれも生命力を漲らせている。赤い花にも黄色い花にも、圧倒的な迫力がある。ここでは花は癒しの存在などではなく、生命そのものだ。
 花の写真は、5つのテーマによって構成されている。「WHOLE」の章には、ページいっぱいに花が咲き乱れる。ダリア、アネモネ、ラナンキュラス、フリージア……。アマゾンにいるような、むんとした熱気が漂う。「HYBRID」の章では、2種類の花が絡み合う。花たちは、どこか孤高な気配を漂わせている。「APPEARANCE」では、花の素顔に迫る。しなびた花弁がたまらなくエロティックだ。「図鑑」とある通り、巻末にはすべての花の名前と学名が記されている。本書は、できれば先頭から順にページを捲ってほしい。図鑑であると同時に、花の物語でもある1冊だ。
(今泉愛子 ライター)

植物図鑑 ―週間朝日 2012年10月19日号掲載
――東信さんが作品づくりについて語られています

日本語では、なぜ花を「飾る」とは言わずに、「生ける」と言うのか。
フラワーアーティスト・東信さんの作品を見ると、その理由がわかる気がする。
「僕の仕事は、〝花を殺して生かす〟こと。切り花は一日で10歳年をとると言われています。
どうやったら美しい花を、長く楽しんでもらえるのか。どうやったら花の価値をより高められるのか。
第一の自然がそこに元々ある自然、第二の自然がフラワーアレンジメントだとしたら、僕が目指しているのは第三の自然、さらに一歩花に踏み込んだものです」(東さん)

 東さんが花と出会ったのは15年前。花屋でアルバイトをしたことがきっかけだった。花の仲卸も経験したが、やがて花をただのモノとして扱うのに違和感を抱く。そして、25歳のとき、東京・銀座で〝花のない〟花屋を立ち上げた。
 東さんの店では、お客さんに花の用途や贈る相手のイメージ、どんな思いを花に込めたいかなどを詳細にヒアリングする。そこからデッサンを起こし、素材を仕入れ、制作する。「雑草でブーケを作ってほしい」という注文が入ったこともあるという。「震災後、花の売り上げが上がりました。カラフルな花を注文する人も増えた。結婚記念日に出張が入ったので、寂しくならないように、と奥様に花を注文する男性も結構います。花は感情の機微まで伝えられるのでしょうね」(同)
 ケーキでもワインでもバッグでもなく、花。命あるものだからこそ、伝わることがある。
文=宇佐美里圭

植物図鑑 ―日経新聞 2012年9月2日掲載

植物図鑑 東信、椎木俊介著

 ただの図鑑ではない。美しくアレンジされた1600種類の花や植物の束、いわば花のアートワークを収めた写真集。
ラナンキュラス、トルコキキョウ、ユリ、ダリア等、この写真だけで30種以上が組み合わされている。

 黒を背景に妖しく浮かび上がる花びらや葉や茎。
自然の造形美をフラワーアーティストの東信が人工的に再構築し、活動を共にする椎木俊介が撮影した。
自然の姿にはない濃厚な香りが漂ってくる。(青幻舎・3200円)

BRUTUS  ―2012年8月15日号掲載

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