人類は何を見つめ、描いてきたのか?
巨匠デイヴィッド・ホックニーによる絵画論の集大成!

世界的な現代美術家であり、美術史や絵画技法の研究でも注目を集めるデイヴィッド・ホックニー。2001年に発表した著書『秘密の知識 巨匠も用いた知られざる技術の解明』(日本語版は2006年/青幻舎)では、歴史上の巨匠たちが光学機器を用いて絵画を制作していたことを実証し、一大センセーションを巻き起こしました。 このたび刊行された『絵画の歴史 洞窟壁画からiPadまで』において、ホックニーはさらに思索を深め、美術批評家のマーティン・ゲイフォードとの対談を通して絵画や写真、映画などの視覚芸術に通底する「画像(picture)」の歴史を紐解きます。

デイヴィッド・ホックニー

絵画、素描、舞台装飾、写真、版画などありとあらゆるメディアを駆使して作品を制作し、その領域を拡大してきた現代美術の第一人者。2001年に『秘密の知識 巨匠も用いた知られざる技術の解明』を刊行。

マーティン・ゲイフォード

美術批評家・美術史家。スペクテイター誌に美術評論を寄稿するかたわら、ゴッホ、コンスタブル、ミケランジェロを主題とする著書で高い評価を得ている。


第1回 「絵画の歴史」洞窟からコンピューターまで

2017/2/10公開

“この本では、写真や映画 テレビまで扱う。あらゆる種類の画像(picture)をね。
画像について語るべきことはたくさんあるが、今まで十分に議論されてこなかった。”

第2回 広重からウォルト・ディズニーへ

2017/2/17公開

“あのアニメは多様な技を用いて水を表現していた。
私が注目したのは――ピノキオがクジラに飲み込まれた場面だ。”

第3回 カラヴァッジョがハリウッドの照明を発明

2017/2/24公開

“つまり――撮影技術というものは舞台芸術に通じるんだ。照明が欠かせない。
劇場には照明が必要だろ。写真撮影でも照明が重要だ。”

第4回 舞台を描く 絵画を上演する

2017/3/3公開

“ファン・エイクのことをセザンヌのように「孤独な画家」だったと考える美術史家もいる。
だが、そんなはずはない。”

第5回 写真 真実 そして絵画

2017/3/10公開

“「今日 絵画は死んだ」と言ったのは誰だった? ポール・ドラロッシュか。
彼は絵画がどう変われるか予想できなかったんだね。”

最終回 テクノロジーの変遷

2017/3/17公開

“画像を制作するという行為は人間の本能に関わる。”


絵画の歴史 洞窟壁画からiPadまで

デイヴィッド・ホックニー&マーティン・ゲイフォード

翻訳 木下哲夫
図版310点掲載
判型:A4変
総頁:360頁
上製本
定価:本体5500円+税
ISBN 978-4-86152-587-2 C0070

<目次>
序 画像、美術、そして歴史
1 画像と現実
2 徴をつける
3 影とごまかし
4 時間と空間を描く
5 ブルネレスキの鏡とアルベルティの窓
6 鏡と映像
7 ルネサンス:自然主義と理想主義
8 紙、絵具、複製される画像
9 舞台を描く、絵画を上演する
10 カラヴァッジョとカメラのような目付きの男たち
11 フェルメールとレンブラント:手、レンズ、そして心
12 「理性の時代」の真実と美
13 1839年以前と以後のカメラ
14 写真、真実、そして絵画
15 写真を使う絵画、使わない絵画
16 スナップショットと動く映像
17 映画とスチル写真
18 終わりのない画像の歴史


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