MG あらゆる画像を1つの歴史にまとめましたが、複雑な歴史です。
映画 写真 絵画 銅版画 コンピューター・ドローイング……
普通は分けて考えるものです。
あなたはディズニーの「ピノキオ」を例に挙げて関連性を説明されましたね。
DH あのアニメは多様な技を用いて水を表現していた。
私が注目したのは――ピノキオがクジラに飲み込まれた場面だ。
彼らはクジラの胃袋の中で火をつける。
胃袋の中で火が燃えるとクジラがゲップして――
いかだに乗ったピノキオたちが噴き出されるんだ。
クジラは彼らを追いかける。
私は20年ほど前にこのシークエンスをテープで1コマずつ再生して見てみたんだ。
詳細に観察してみて分かったことだが、
水を表現するためにいろんな技が使われていた。
中国絵画のような水の描写もあれば、刷毛で描いたところもある。
(※本書では、広重の浮世絵の水の表現との類似を指摘している。)
波が岸に押し寄せてきて砂浜が浸水する場面では、水が砂に浸み込む。
これは写真を参照したんだろう。
このシークエンスで顕著なように、あらゆる描写技法が併用されていたんだ。
見事だったよ。
<目次>
序 画像、美術、そして歴史
1 画像と現実
2 徴をつける
3 影とごまかし
4 時間と空間を描く
5 ブルネレスキの鏡とアルベルティの窓
6 鏡と映像
7 ルネサンス:自然主義と理想主義
8 紙、絵具、複製される画像
9 舞台を描く、絵画を上演する
10 カラヴァッジョとカメラのような目付きの男たち
11 フェルメールとレンブラント:手、レンズ、そして心
12 「理性の時代」の真実と美
13 1839年以前と以後のカメラ
14 写真、真実、そして絵画
15 写真を使う絵画、使わない絵画
16 スナップショットと動く映像
17 映画とスチル写真
18 終わりのない画像の歴史
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