『絵画の歴史 洞窟壁画からiPadまで』デイヴィッド・ホックニー&マーティン・ゲイフォード | SEIGENSHA Art Publishing, Inc.

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対談「絵画の歴史」 デイヴィッド・ホックニー×マーティン・ゲイフォード

2. 広重からウォルト・ディズニーへ

※日本語字幕をオンにしてお楽しみください。

あらゆる描画技法が凝らされた「ピノキオ」

MG あらゆる画像を1つの歴史にまとめましたが、複雑な歴史です。
映画 写真 絵画 銅版画 コンピューター・ドローイング……
普通は分けて考えるものです。
あなたはディズニーの「ピノキオ」を例に挙げて関連性を説明されましたね。

DH あのアニメは多様な技を用いて水を表現していた。
私が注目したのは――ピノキオがクジラに飲み込まれた場面だ。

彼らはクジラの胃袋の中で火をつける。
胃袋の中で火が燃えるとクジラがゲップして――
いかだに乗ったピノキオたちが噴き出されるんだ。
クジラは彼らを追いかける。

私は20年ほど前にこのシークエンスをテープで1コマずつ再生して見てみたんだ。
詳細に観察してみて分かったことだが、
水を表現するためにいろんな技が使われていた。
中国絵画のような水の描写もあれば、刷毛で描いたところもある。
(※本書では、広重の浮世絵の水の表現との類似を指摘している。)
波が岸に押し寄せてきて砂浜が浸水する場面では、水が砂に浸み込む。
これは写真を参照したんだろう。

このシークエンスで顕著なように、あらゆる描写技法が併用されていたんだ。
見事だったよ。

次回――「カラヴァッジョがハリウッドの照明を発明」2月24日公開予定

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絵画の歴史 洞窟壁画からiPadまで

デイヴィッド・ホックニー&マーティン・ゲイフォード

翻訳 木下哲夫
図版310点掲載
判型:A4変
総頁:360頁
上製本
定価:本体5500円+税
ISBN 978-4-86152-587-2 C0070

<目次>
序 画像、美術、そして歴史
1 画像と現実
2 徴をつける
3 影とごまかし
4 時間と空間を描く
5 ブルネレスキの鏡とアルベルティの窓
6 鏡と映像
7 ルネサンス:自然主義と理想主義
8 紙、絵具、複製される画像
9 舞台を描く、絵画を上演する
10 カラヴァッジョとカメラのような目付きの男たち
11 フェルメールとレンブラント:手、レンズ、そして心
12 「理性の時代」の真実と美
13 1839年以前と以後のカメラ
14 写真、真実、そして絵画
15 写真を使う絵画、使わない絵画
16 スナップショットと動く映像
17 映画とスチル写真
18 終わりのない画像の歴史


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