日本写真史
1945-2017


ヨーロッパからみた
「日本の写真」の多様性

日本写真史 1945-2017
ヨーロッパからみた「日本の写真」の多様性

著:レーナ・フリッチュ
監修:飯沢耕太郎
□ 判型:A4変
□ 総頁:288頁
□ 製本:並製
□ 定価:5,500円+税
□ISBN 978-4-86152-690-9 C0072

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25名の写真家たちへインタビュー。
日本写真界の変遷を、“証言”とともに追う

近年「日本の写真」は海外での注目が高まり、各地で大規模な展覧会等が多く開催されています。その一方で、日本写真史を概観する書籍の刊行は、ほとんどが日本国内にとどまっている現状でした。このような時流のなか、満を持して刊行するのが本書「日本写真史 –ヨーロッパからみた「日本の写真」の多様性」です。約70名・200余点の写真を掲載し、戦後から時代を追って紹介していく本書は、日本の写真界を概説する資料として、国内外問わず貴重な価値のある一冊といえるでしょう。著者は日本に造詣が深い、イギリス在住のキュレイター。本書では日本を代表する25名の写真家に、日本語でインタビューを行い、「写真」という手段と向き合う姿を浮き彫りにしています。

細江英公や奈良原一高をはじめとした6人による「VIVO」の結成や、中平卓馬らによる『プロヴォーク』の創刊、そして「ガーリーフォト」の到来と、時代とともに変遷を遂げてきた日本の写真界を、著者はどのように見つめていくのでしょうか。著者と写真家たちの対話を通して語られる、当時の様子や制作背景。彼らの素直な声をひろいあげたインタビューは、作家としての姿の前に「写真に熱をあげた人々」の証言へ耳を傾ける、そんな読書体験となるでしょう。日本語版では、翻訳監修に写真評論家の飯沢耕太郎氏を迎え刊行致します。

著者:レーナ・フリッチュ 20〜21世紀における日本の美術、写真研究者・翻訳家。アシュモレアン博物館(オックスフォード大学)の近現代美術のキュレイターとして、海外美術の展示や展覧会の企画を担当。以前はテート・モダンの海外美術部門にて、アシスタント・キュレイターとして、アジア太平洋地域の美術品の収集や展示を担当した。著書に『Yasumasa Morimuras“Self-portrait as Actress”: Uberlegungen zur Identitat』(2008 年)など。ドイツのボン大学にて博士号(美術史)取得。

日本語版監修:飯沢耕太郎(いいざわ・こうたろう)写真評論家。1954年、宮城県生まれ。1977年、日本大学芸術学部写真学科卒業。1984年、筑波大学大学院芸術学研究科博士課程修了。執筆活動のほか、写真展覧会の審査、企画等も手がける。

WORKS

25名が語る、写真と私
写真家としての私

インタビュー本文より、一部抜粋

細江英公

三島さんのほうから写真を撮ってほしいという依頼が出版社を通じてありました。どこかでぼくの写真を見たそうです。「あの三島由紀夫が?」と、びっくりしましたよ。ぼくに写真を撮ってほしい、撮り方は任せると言うので、ヌードになってくれるか聞くと、「わかった」という返事がありました。

森山大道

徹底的にコピーすることが可能な表現手段は、写真以外にはありません。映画もコピーの世界かもしれませんが、また違う……。それから、写真は時間を切断できる。ぼくにとってはこの二つが、写真の最も魅力的なところです。

荒木経惟

撮った写真はできるだけ早く発表するようにしている。人に見せるのも写真の一部で、オレにとってはとても大切なことなんだ。見る人とのコラボレーションになる。「写真」の「シャ」は「うつす」、「シン」は「真実」「神」。そういう意味での客観性がオレの写真なんだ-まあ、主観的なのが多いけどさ。

長島有里枝

1990年代は若い女性写真家が台頭した10年だったと言えると思うのですが、作風は写真家によってそれぞれ違いました。ヌードのセルフポートレイトという表現手法を採用する作家も多かったですが、それだってよく見れば、男性が撮影してきたヌードよりは意味の多様性があったと思う。

柴田敏雄

実のところ外で新たな世界を知ることが出来るというのが、僕は写真が大好きな理由です。その意味でも、僕の写真はストレートな写真です。日本中をまわって、この国の全てをもう一度自分なりにとらえたい、そう思ったのです。風景と出会える屋外が僕のスタジオになりました。

伊島薫

ぼくが撮りたいと思うのは、ぼく自身が見てみたいものであり、それが美しいからではありません。ぼくが見てみたいものを写真にとるとそれは美しかった、そんな感じです。

澤田知子

私は写真が大好きです。写真には偶然でしか映らないものもあれば、自分でセットアップしてコントロールできるものもある。自分で写真をコントロールできるのは便利なことで、技術を磨くと、うまくコントロールできるようになる。でも一度もシャッターを押したことのない人にも写真を撮ることは可能で、すばらしい写真が撮れたりする。

志賀理江子

どんなに被写体や状況を作り込んでも最後にはシャッターを押すだけ。この、イメージに「突き放され」、あとで現実の証明書が戻ってくることが重要なのだと思います。つまり、自分の体と作り出されたイメージとは大きく隔たっているのです。私はこの遠さが好きでした。

 

<インタビュー収録作家>

荒木経惟 安齋重男 石内都 伊島薫 大森克己 川内倫子 川田喜久治 北井一夫 澤田知子 志賀理江子 柴田敏雄 須田一政 鷹野隆大  土田ヒロミ Tokyo Rumando 長島有里枝  蜷川実花 野村佐紀子 畠山直哉 HIROMIX  細江英公 森村泰昌 森山大道 吉行耕平 
米田知子 (順不同・敬称略)

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