絵の具で描かれた絵画はもちろん、写真やテレビの映像、スマートフォンやコンピュータのスクリーンまで、私たちの暮らす世界は、立体空間を平面に表現した「絵」で溢れています。
人はなぜ「絵」に惹かれ、「絵」を作るのでしょうか?
「絵」を作ることを仕事とするデイヴィッド・ホックニーと、「絵」を研究するマーティンによる対話、そしてローズのかわいいイラストで、「絵」に関するさまざまな疑問や歴史を解き明かします。
レオナルド・ダ・ヴィンチ、歌川広重、カラヴァッジョ、ゴッホ、モネ、ピカソ、もちろんホックニー自身も含め、美術の世界を知るうえで重要なアーティストたちの作品を収録しました。時代や地域を飛び越えて作品を見比べると、思わぬ発見があります。
たとえば、奥行きのある空間を平面に描くことは、いつの時代も大きな課題でした。ダ・ヴィンチとエドワード・ホッパーは、それぞれどんな手法で空間をリアルに見せたのでしょうか?
(第4章 空間に注目しよう 芸術家たちは、「風景」をどんなふうに描いているんだろう?)
鏡や水面に映った「反射像」は、自然が生み出す「絵」といえそうです。
芸術家たちは大昔からこの不思議な現象に魅せられ、さまざまな方法で描いてきました。
モネは《睡蓮》のシリーズで、鏡のように静止した水面に映る反射像を描きました。
対してホックニーは、プールにキラキラと反射する光のゆらぎに興味を持ち、踊るような水面を描きました。
こうしたさまざまな「絵」への挑戦によって、たくさんの傑作が生みだされたのです。
(第5章 鏡と反射 芸術家たちは、「光」とどう向き合ったんだろう?)
世界中で高い評価を得る、現代美術家のひとり。あらゆる手法を使って「絵」を制作するかたわら、ほかの芸術家たちの作品にも熱い視線を注いでいる。著書「秘密の知識 巨匠も用いた知られざる技術の解明」では、時代に名を残す芸術家たちが、作品の創作に用いてきた技法について、ホックニーならではの考えを語っている。
芸術評論家・作家。『A Bigger Message: Conversations with David Hockney』(日本語版 未発売)をはじめとする著作において、長年にわたり、デイヴィッド・ホックニーと芸術についての対話を重ねている。
イラストレーター。本書のイラストを担当。本や雑誌、新聞、アートギャラリーなどでイラストを発表し活動している。11歳の時に両親と休暇でロサンゼルスへ旅行し、デイヴィッド・ホックニーの家を訪問。それ以来、ホックニーの熱烈なファンである。
既刊『絵画の歴史 洞窟壁画からiPadまで』(2017年、青幻舎刊)美術家デイヴィッド・ホックニーが、時代や地域、様式といった従来の美術史の文脈を飛び越えて「picture」の歴史から美術史を編み直すことを試みた一冊。美術批評家のマーティン・ゲイフォードとの対話形式で構成され、世界中の美術関係者やアートファンの間で話題を巻き起こしました。