News
・2023/11/20:『ソール・ライター Saul Leiter The Centennial Retrospective』刊行
・2023/11/15:スペシャルサイトオープン
ソール・ライターについて
Introduction
2023年に生誕100年を迎えた写真家ソール・ライター。2017年、Bunkamura ザ・ミュージアムからスタートし日本各地を巡回した回顧展は、ニューヨークの街角ながら日本の心象を思わせるような景色が我々の心をとらえ、大変な話題となりました。この日本初の展覧会に合わせて、青幻舎が出版した『ソール・ライターのすべて All about Saul Leiter』はロングセラーとなり、現在21刷、海外(英・仏・スペイン・韓国)でも翻訳され、美しい本として高い評価を得ています。
まだ見ぬソール・ライター
THE UNSEEN SAUL LEITER
近年、世界および日本でも高い評価を得ているソール・ライター。なかでも、晩年の自らが暮らしたマンハッタンの街に溶け込むようにして写した、街と人々の何気ないしぐさが醸し出す「ストリート・フォト」は、我々を魅了してやみません。
本書は、ソールが2013年に亡くなってから、アトリエに無造作に遺されたままになっていた約1万余の膨大なスライド写真を、生前ソールと親交の深かった夫妻が主宰するソール・ライター財団がデジタルアーカイブする「スライド・プロジェクト」の成果として刊行。
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ソール・ライター財団全面協力 完全日本オリジナル作品集
作品と言葉で紡ぐ、ソール・ライターの人生哲学と美意識
我々日本人を引きつけてやまない、人生観、情緒的表現、浮世絵の影響を感じさせる構図、色彩など、その深遠なる魅力の謎に迫る。初期のストリートフォトから広告写真、プライベートヌード、ペインティングなど約200点とともに、アトリエ写真、愛用品などの資料も収録。
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1923年、米ペンシルベニア州ピッツバーグに生まれる。10代で絵を描き、写真を撮り始める。絵画は展覧会などで高く評価される。1946年にニューヨークへ移り住み、絵を描くかたわら生計のために商業写真に力を入れる。1957年からファッション写真家としてのキャリアをスタートし、20年にわたり『Esquire』や『Harper’s Bazaar』などの雑誌で活躍。最初はモノクロで、やがてカラーでも仕事をするようになった。売れっ子商業写真家として忙しく飛びまわる一方でストリート写真も撮り続けていた。そのほとんどは自分が暮らすマンハッタン・ダウンタウンで撮影されている。2006年、シュタイデル社より最初の写真集『Early Color』が出版されると、1940年代後半にしてすでにカラー写真を極めていたその才能に広く注目が集まるようになる。再評価が高まるなか、2013年ニューヨークで死去。没後、世界中の美術館で展覧会が開催され、写真集が多数出版されている。
ソール・ライター年譜
1923年|12月3日、ユダヤ教のラビである父ウルフ・ライターと母レジナの下にペンシルバニア州ピッツバーグで生まれる。
1935年頃|母親からデトローラ・カメラをもらい、写真を撮り始める。
1946年|大学を中退しニューヨークへ行く。抽象表現画家のリチャード・プセット=ダートと出会い写真について影響を受ける。
1947年|ニューヨーク近代美術館で開催されたアンリ・カルティエ=ブレッソン展を見て感激する。
1948年頃|カラー・スライドフィルムでの撮影を始める。初期の使用カメラは、アーガスC3、オート・グラフレックス・ジュニア、ローライフレックス。
1953年|ニューヨーク近代美術館〈Always the Young Strangers〉にモノクロ作品が出品される。
東京国立近代美術館〈現代寫眞展 日本とアメリカ〉にモノクロ作品2点が出品され、日本で初めてソール・ライターの作品が紹介される。
1960-80年代|ファッション写真や商業写真を手がける。『Harper’s Bazaar』『Elle』『British Vogue』『LIFE』『US Camera』などに写真が掲載される。
1993年| ニューヨークのハワード・グリーンバーグ・ギャラリーでモノクロ作品展。
1997年| ハワード・グリーンバーグ・ギャラリーにおいてカラー写真展開催
2006年|ソール・ライター人気に火が付くきっかけとなった『Early Color』がシュタイデル社から刊行される。
ミルウォーキー美術館で初の個展開催。
2008年|パリのアンリ・カルティエ=ブレッソン財団において、ヨーロッパ初の個展開催。
2013年|11月26日、ニューヨークにて死去。享年89歳。
映画『写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと』(監督:トーマス・リーチ)が公開される。日本公開は2015年。
2017年|日本で初めての回顧展がBunkamuraザ・ミュージアムを皮切りに開催。『ソール・ライターのすべて』が青幻舎から刊行される。
ソール・ライター(1923~2013)は、89歳で亡くなる直前まで、毎日写真を撮り、絵を描き、膨大な数の作品を遺した。彼のインスピレーションの源はマンハッタン東10丁目の自宅アパートのわずか数ブロック内であり、ありふれた場所に美を見出す天才として、ニューヨークの街をカラーで切り取った世界観は、今日広く注目を集めている。
その一方、1960~70年代、『Harper’s Bazaar』でのファッション写真家としての活動、モノクロの景色、“親密なポートレート”のヌード、ヌード写真にペイントを施した作品などは、彼の生前に世に出ることはほとんどなかった。
本書は、ライター生誕100年を記念して、ソール・ライター財団が管理する膨大なアーカイブをもとに、未発表作品、コンタクトシート、人生をたどる写真付き年譜など、貴重資料を駆使しながら、ソール・ライターの表現の多様性と試作の源泉、その全貌に迫る決定版作品集である。