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美人画が浮世絵に発するのは当然としても能楽の世界にそのコンセプトを求めるようになり松園の画道は終生変わる事のなかった軌道にのる。「砧」「草紙洗小町」「静」「焔」など代表作は能楽に取題したものであるが時代を江戸中期に設定し現実生活の具現を避けたのであろう。(中略)松園独自の表現を生むきっかけとなった「人生の花」は女の幸せの一つを捨てた心情から生まれたものと思われる。松園の描く女性像は内に毅然たるものを持ちながら外面はいかにも美しく優しい。(中略)晩年になって市井の女性の生活を描いたのはようやく母親の面影がイメージのなかに昇華された存在となったと語っている。
上村淳之(日本画家・日本芸術院会員)-序文より抜粋-
松柏美術館https://www.kintetsu-g-hd.co.jp/culture/shohaku/
重版
美人画が浮世絵に発するのは当然としても能楽の世界にそのコンセプトを求めるようになり松園の画道は終生変わる事のなかった軌道にのる。
「砧」「草紙洗小町」「静」「焔」など代表作は能楽に取題したものであるが時代を江戸中期に設定し現実生活の具現を避けたのであろう。(中略)松園独自の表現を生むきっかけとなった「人生の花」は女の幸せの一つを捨てた心情から生まれたものと思われる。
松園の描く女性像は内に毅然たるものを持ちながら外面はいかにも美しく優しい。(中略)晩年になって市井の女性の生活を描いたのはようやく母親の面影がイメージのなかに昇華された存在となったと語っている。
上村淳之(日本画家・日本芸術院会員)-序文より抜粋-
松柏美術館
https://www.kintetsu-g-hd.co.jp/culture/shohaku/