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Layers of Keiichi Tanaami  

定価:
3,080円(本体2,800円)
著者:
田名網敬一
テキスト:
原 久子
デザイン:
中田 泉
判型:
A4変
総頁:
120頁
製本:
並製
ISBN:
978-4-86152-091-4 C0071

田名網敬一の作品は、グラフィック、映像、オブジェ、アニメーション、ドローイング、指定原稿など、あらゆる媒体に憑依するかのように複雑に絡み合って構成されている。
本書では、田名網の記憶、想像、幻想が織り成す重層空間を多面的に構成し、田名網ワールドを解剖した。

ビックリ箱構造の解剖

<前略>
自然体で、感覚的につくっているかのようにみせかけて、じつは田名網敬一の作品世界は非常にコンセプチュアルだ。たとえば、名画からの引用もその一つだろうし、スチール写真を用い印刷の製版工程での網点分解の技術的な部分からアプローチをした映像作品「WHY」(1975)では錯視を促す。これらの作品は緻密に計算されたものだが、そこを感じさせないスマートさが隅に置けない。
旧作を何度見てもその鮮度は衰えることがないのも、田名網作品の最大の特徴のひとつだろう。
<中略>
京都造形芸術大学で教鞭をとる同僚でもある宇川直宏(b.1968)とは、一昨年KPOキリンプラザでの「田名網敬一×宇川直宏『DISCO UNIVERSITY』展」でも、30歳の年の差を感じさせないような盟友ぶりをみせてくれた。また、本展では田名網門下の二期生、中田泉が出品作の歌舞伎衣装の共同製作や展覧会コーディネートを務め、さまざまなクリエーターたちをフラットな関係を保ちながら周囲にひきつけてゆく魔力の持ち主だ。
<中略>
作品は決して一面的なものではなく、幾重にも重なる分厚い層を見ることができる田名網作品。そのビックリ箱のような構造を解剖してみせた『Layers of Keiichi Tanaami』。眼鏡の奥の瞳をキラリとさせながら、彼はいつものように虎視眈々とクリエーションのプロセスを満喫し、われわれに作品を披露する機会を狙っている。

ー 原 久子(アートプロデューサー)

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