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銘仙模様が花開くのは大正期。明治33年のパリ万国博覧会を契機に広がったアール・ヌーヴォーの影響を受けて、曲線的で華やかなデザインが流行し、それまでの銘仙のイメージが一新されました。大正末期には、さらに大胆な銘仙模様が生み出され人気を博しました。折りしも大正14年に開催されたパリ万国博では、アール・デコ様式がもてはやされ、その影響を受けた昭和初期には、明快な色彩と幾何学、直線的なデザインが流行しました。第二次世界大戦後、伊勢崎を中心に銘仙が再生産されるようになると、新しくアメリカン・デコの意匠が流行し、アメリカの洋服地に倣った、開放的でリズミカルなデザインが生産され、この時期が銘仙の最後の黄金期となりました。
本書では、伊勢崎銘仙はじめとして、昭和30年代の優品を中心に200余点を収録し、銘仙の魅力を紹介します。
寄稿:宮川武士