小村雪岱 ―ちいさな美術館

- 定価:
- 1,650円(本体1,500円)
- 著者:
- 小村雪岱
- 判型:
- A6判
- 総頁:
- 32葉
- ISBN:
- 978-4-86152-324-3 C0071
[アート] カテゴリの書籍
5月刊行予定
New暁斎いきもの尽くしゴールドマン・コレクション
定村来人
5月刊行予定
New新装版 暁斎春画ゴールドマン・コレクション
石上阿希、定村来人
4月刊行予定
SEIGENSHA | TASCHEN Basic Art Series
ベーコン FRANCIS BACON
ルイジ・フィカッチ
4月刊行予定






















「雪岱調」と評された独特の意匠で、装幀、挿絵、舞台装置、いずれの分野でも新機軸を見せ、一世を風靡した小村雪岱。
彼が活躍した大正から昭和戦前にかけての時代は、太平洋戦争前に一時訪れた華やぎの時代、大衆文化が一斉に花開いた時代でした。
しかし一方では、江戸から続いた四季の自然とともにあった人々の暮らしや、そこに息づいていた美意識が失われようとしていた時代でもありました。
その失われゆく江戸の面影を美しく描き止めたのが雪岱の仕事でした。
装幀や挿絵などデザインの道に進む契機となったのは、文豪、泉鏡花との出会いでした。
以来、生涯にわたって鏡花文学の世界が雪岱独特の美を紡ぎ出す一つの大きな磁場になっていきました。
そして、もう一つの源泉は、多感な青春時代を過ごした日本橋檜物町の暮らしにあったように思われます。
当時の檜物町は江戸の面影を色濃く残す花街で、装幀家としての出世作となった泉鏡花の小説『日本橋』の舞台となった土地でもありました。
多くの人々に絶賛されたこの装幀の成功は、暮らしの音や匂い、路地を吹き抜ける風のそよぎまでも、五感で記憶していた雪岱だからこそ描けたものでしょう。
平山都(埼玉県立近代美術館学芸員)―序文より 抜粋