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かつては、我が国でも「明星」が紹介し、夏目漱石が『薤露行(かいろこう)』や 『三四郎』で参照したとされた画家の作品たちも、19世紀末からのアカデミズムへの 批判とモダニズムの進展によって、完全に忘れ去られてしまう。やっと再評価が始 まったのは、1970年代末からだが、近年、急速にその評価を高めている。
ちなみに≪シャロットの姫≫は、あの宮崎駿が衝撃を受け、自らの源流である芸術 と通俗文化の分かれ目にある作品として評価し、本国イギリスでも、2013年に行われ た芸術作品のある人気投票で1位を獲得するほどの人気を誇っているのだ。
平松洋(美術評論家)-序文より抜粋-