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写即音興
ネパール、見えるもの見えないもの/姿・音・祈り

定価:
3,850円(本体3,500円)
著者:
多田正美
判型:
A5変
総頁:
192頁
製本:
上製
ISBN:
978-4-86152-018-1 C0072

世界的に活躍するサウンド・アーティスト多田正美が、ネパールの祭の場の熱狂の坩堝を五感で捉えた。巨大な山車が2ヶ月間かけて町を練り歩く。付属のCD2枚に収められたネパールの早朝の音や民衆の掛け声、楽器――。根源的な生と死の物語が、エネルギッシュな景とそこから立ち上がってくる身体性を帯びた様々な音によって進行する。世界の触覚器となった彼自身の存在が、即興の「写」と「音」をつなぎあらゆる境界を渡ってゆく。
ー 西江雅之

 

<本書テキストより>

過去は未来からやってくる
自分自身に自分が触れている感覚をもつ。原点に出会う経験、古い国ネパールで。(中略)
早朝、山車の周りは、その清々しい空気を共有する人々で埋まる。夥しいローソク台には毎日新しい油が充たされ、灯される火で辺りは明るい。傍らに火が燃え尽き出来た煤の山、その残骸とのコントラストは、天国と地獄のようなものかもしれない。
(2004年4月20日より6月16日までネパール、パタンに滞在)
ー 多田正美

カトマンドゥへの想い
神々の前で、人間があらゆる種類の思いを訴える。仏の前で、人々が沈黙を発する。人が笑い、泣き、怒鳴り、囁く。 様々な楽器とともに人が歌い、祈る。喜びや悲しみを訴える。何かを感謝する。そして、際限のない明日の中に、何事かを待ち続ける。(中略)
音と化したあらゆる種類の情動と感情と感覚が町を埋め尽くす。雑然。それは、混沌という表現には収まり切らない。 ここでは、雑然が一種の調和を成しているのだ。
ー 西江雅之(文化人類学)

 

多田正美(ただ・まさみ)
アーティスト。即興音楽・写真・映像を一体化させたパフォーマンス「サウンドエンカウンター」を世界各国で行い、森村泰昌やダニ・カラヴァンとのコラボレーションでも話題を集める。CD・VIDEOのリリースも多数。
http://www.soh-gallery.com/

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