2009ー2011 Flowers限定50部(エディション付)
- 定価:
- 330,000円(本体300,000円)
- 著者:
- 東信/椎木俊介
- 作品点数:
- 90点
- 判型:
- 600×450mm
- 総頁:
- 110頁(220頁袋綴)
- 製本:
- 袋綴上製本(桐板使用)、UVカレイドインク5色印刷+コーターニス、特製メタルケース(刻印、塗装あり)
- ISBN:
- 978-4-86152-317-5 C0072
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東信[あずま・まこと/1976–]と椎木俊介[しいのき・しゅんすけ/1976–]は、2000年より共同し、花や植物を用いた作品を制作しはじめました。ニューヨークでの個展を皮切りに、パリのカルティエ現代美術財団やデュッセルドルフのNRWフォーラムといった美術館やアートギャラリーでの発表を積んでいきます。時を同じくして椎木は、花や植物のみが有する自然界特有の色彩や生命力、神秘性を鋭く切り取っては、刻々と朽ちゆき、姿かたちを変容させていってしまう生命のありようを写真に留める活動に傾倒していきます。本書は、彼らにとっての初めての作品集であり、瞬く間に死への時間を刻みはじめ消えていく花々を、「本」というかたちと重さを伴った物質に普遍を留めた、世界にたった50部しか存在しない作品集として刊行いたします。
この一冊には、歴史的に写真家たちが写真家の目線を通して表現してきた花の作品とは一線を画した像が収められています。東は言います。ここ東京には、東南アジアの湿地帯に原生する花々もアマゾンの原種もはるか北の大地に咲く花々も根を断たれ、混在していると。そこには花鳥風月といった季節感も固有の風土も特定の種も決まりきった定義も存在していません。あるのは混沌、カオスだけです。自然界では出会うことのなかった花々が東と椎木の手によって新たな生態系が提示されています。花々は私たちに問いを突き付けます。自然とは?生命とは?存在とは?そして私たちが生きる現実とは?365日、日々、花に向かい合い、触れ、ちぎり、花の生き死を間近で対峙し続けてきたこの二人にしか見ることのできない花の像が、ここには収められています。
本書は、こうした新たな花の美の表現に挑むと同時に、制作においても技術的にも物理的にも、いま現在できうる限界に挑みました。ブックデザインを担った町口覚[まちぐち・さとし/1971–]のディレクションのもと、新しいインクの可能性を手繰り、新たな印刷方法を試し、印刷製本できる最大限のサイズと製本方法を採りました。長年、印刷や製本に携わってきた技術者や熟練した職人たちにとっても、これまで経験したことのない、すべてが新たな工程を辿ることで生まれた一冊が、この『2009-2011 Flowers』なのです。電子化の波で激変する出版状況のなか、「本というものは何か」「本で表現するということは何か」を考え抜いて出した一つの答えが、この一冊に他なりません。 ここで私たちが蒔いた種子が、次第に幹をなし、実をはらみ、朽ちて再び種子を蒔く。その生と死が繰り返す時の流れのなかで、やがて新たな沃地が広がっていくことを願ってやみません。
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