昭和3年、水戸・徳川家による大売立会に出品された財宝類のひとつに、全12巻揃えの豪奢・美麗な「源平盛衰記絵巻」があった。際上質の絵具と金彩を施し、一流の絵師の手になる名品である。近年、作成当初のままの美しい姿で発見され、この度の出版となった。
「源平盛衰記」は、鎌倉時代以降に成立した軍記物語である。「平家物語」を基に、源氏関連の記事や故実・挿話を織り込んで、源氏と平家の興亡を詳細に叙述する、全48巻の大河物語となっている。語りものとしての「平家物語」に対し、歴史を精密に再現する読み物風といわれ、後世の物語に多大な影響を及ぼした。文字のみ、或いは挿図を加えた物語本としては多くの異本を含め様々に流布したが、あまりにも大部なためか、絵を主体として表されたものは他に見られず、本書は「源平盛衰記」を絵画表現として目の当たりにする、唯一無二の資料である。
解説:加美 宏 序文:狩野 博幸
昭和3年、水戸・徳川家による大売立会に出品された財宝類のひとつに、
全12巻揃えの豪奢・美麗な「源平盛衰記絵巻」があった。
際上質の絵具と金彩を施し、一流の絵師の手になる名品である。
近年、作成当初のままの美しい姿で発見され、この度の出版となった。
「源平盛衰記」は、鎌倉時代以降に成立した軍記物語である。
「平家物語」を基に、源氏関連の記事や故実・挿話を織り込んで、
源氏と平家の興亡を詳細に叙述する、全48巻の大河物語となっている。
語りものとしての「平家物語」に対し、歴史を精密に再現する読み物風といわれ、
後世の物語に多大な影響を及ぼした。
文字のみ、或いは挿図を加えた物語本としては多くの異本を含め様々に流布したが、
あまりにも大部なためか、絵を主体として表されたものは他に見られず、
本書は「源平盛衰記」を絵画表現として目の当たりにする、唯一無二の資料である。
解説:加美 宏 序文:狩野 博幸