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強烈な衝撃を見る者にあたえ、
現代社会の悲劇をもっとも象徴すると評されるベーコンの絵画。
生と死、偶発と制御、革新と伝統。
あらゆるパラドックスを生む作品と、波乱万丈の生涯。
ピカソと並ぶ20世紀の巨匠、そのミステリアスにして稀有な魅力を
豊富な参考図版と論考より解剖を試みる。
フランシス・ベーコン(1909-1992)の芸術は、今日においても力強い輝きを放っている。
特に、驚くほど歪められた顔や体は、日常生活に潜む人間の暗部を思い起こさせる。
ベーコンの独創性は、そのカリスマ性や華やかで自由奔放な生き方と深く結びついている。
しかし、ベーコンの業績については、ピカソの場合と同じように、
自伝的な説明で単純に片づけてしまうのではなく、
絵の持つ激しさや実存的なパワーを捉えることが大切である。(本文より)