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ファン・ゴッホ 巡りゆく日本の夢

定価:
6,600円(本体6,000円)
著者:
圀府寺司、コルネリア・ホンブルク、佐藤幸宏
判型:
A4変型
総頁:
288頁
製本:
上製
ISBN:
978-4-86152-624-4 C0071

ファン・ゴッホと日本、時空を越えて交錯した二つの夢の軌跡

浮世絵に魅せられ、夢の国「日本」に自らの理想を重ねながら次々に傑作を生み出していったファン・ゴッホ。「日本の夢」が破れた後も日本とのつながりを探るなか早逝した。後年、西洋美術受容の過程で彼に憧れた多くの日本人たちがファン・ゴッホ巡礼に訪れる。ファン・ゴッホと日本の間には、時を越えた夢の交錯が存在した。

本書は、日本の研究者とファン・ゴッホ美術館が2013年より取り組んできた「ファン・ゴッホと日本」をテーマとする国際共同プロジェクトの最新の研究成果をまとめた展覧会公式・学術カタログである。これまで明らかにされてこなかったファン・ゴッホの生涯にわたるジャポニズムの深化の過程と日本人のファン・ゴッホ巡礼の実態を、図版200余点や新資料とともに多角的に検証する。

目次:
第1部 ファン・ゴッホと日本
・「日本の夢」の始まりーファン・ゴッホと日本の出会い: ニンケ・バッカー
・ファン・ゴッホと日本の陽光ー近代的アイデンティティを求めて: ルイ・ファン・ ティルボルフ
・ファン・ゴッホの日本ー観念の生成: コルネリア・ホンブルク
・夢のあとでーファン・ゴッホと日本、その最期の2カ月: 圀府寺 司
・ファン・ゴッホと日本の接点となった人々ー滞日経験のあった親続、知人たち: 圀府寺 司

第2部 日本人のファン・ゴッホ巡礼
・オーヴェールへのファン・ゴッホ巡礼ーガシェ家の「芳名録」: 尾本圭子
・ガシェ家の芳名録I・IIー日本人が巡り合った「ファン・ゴッホ」: 森本陽香
・ガシェ家の芳名録IIIー「出頭没頭」という夢: 佐藤幸宏
・クレラー=ミュラー家の芳名録ー1929年、ハーグでのファン・ゴッホ展と日本人: 松山聖央

展覧会情報:
『ゴッホ展 巡りゆく日本の夢』
北海道立近代美術館:2017年8月26日(土)~10月15日(日)
東京都美術館:2017年10月24日(火)-2018年1月8日(月・祝)
京都国立近代美術館:2018年1月20日(土)~3月4日(日)

[執筆者プロフィール]

圀府寺司(こうでら・つかさ)
大阪大学文学研究科教授、アムステルダム大学にて博士号取得。オランダ・エラスムス財団よりエラスムス研究賞を受賞。主な著書に、『ファン・ゴッホ 自然と宗教の闘争』、『ファン・ゴッホ神話』、『ゴッホ 日本の夢に懸けた芸術家』、『ああ、誰がシャガールを理解したでしょうか? ―二つの世界間を生き延びたイディッシュ文化の末裔―』、『〈ゴッホの夢〉美術館 ポスト印象主義の時代と日本』『ユダヤ人と近代美術』がある。また、1986年(大阪)、2002年(札幌・神戸)、2005年(東京・名古屋・大阪)にもファン・ゴッホ展を監修している。

ニンケ・バッカー
ファン・ゴッホ美術館学芸員(絵画担当)。ゴッホはじめ19 世紀後期の展覧会を手がける。

ルイ・ファン・ティルボルフ
ファン・ゴッホ美術館シニア・リサーチャー、アムステルダム大学美術史学教授(ファン・ゴッホ研究)。ファン・ゴッホに関する著作多数。

コルネリア・ホンブルク
ファン・ゴッホをはじめ、19から20世紀初期のヨーロッパ美術を専門とし、多くの著作をもつ。シカゴ大学にて修士号、アムステルダム大学にて博士号を取得。

クレール・ギトン
パリのルーブル美術学院とハイデルベルグ大学で美術史と博物館学の修士号を取得。専門は19世紀後期および20世紀初期のフランス絵画とジャポニスム。

尾本圭子(おもと・けいこ)
元フランス国立ギメ東洋美術館図書館司書、ついでギメ東洋美術館館長付顧問。東京女子大学卒、パリ第4大学学士号、修士号取得。エミール・ギメの日本仏教コレクションに関する展覧会(東京、尼崎、西武百貨店 1989年)や「平山郁夫 シルクロード展」(ギメ東洋美術館館 1991年)などを担当

森本陽香(もりもと・はるか)
北海道立近代美術館学芸員。専門はエコール・ド・パリの美術やガラス工芸を中心に、近現代の西洋美術。大阪大学大学院文学研究科ではジョヴァンニ・セガンティーニを研究、博士前期課程修了。おもな企画展に、「デュッセルドルフ美術館所蔵 アール・ヌーヴォーのガラス展」(北海道立近代美術館他全国巡回 2015年)、「生誕100 年記念 小谷博貞・絵画の冒険展」(道立近代美術館 2014年)がある。

佐藤幸宏(さとう・ゆきひろ)
北海道立近代美術館学芸副館長。成城大学大学院文学研究科、博士課程前期修了。 おもな企画展に「ルノワール展」(1999年)、「ゴッホ展」(2002年)、「レオナール・フジタ展」(2008年)、「シャガール展」(2013年)(以上、北海道立近代美術館)。おもな著書に『藤田嗣治画集 巴里』、『テキストとイメージを編む 出版文化の日仏交流』がある。

松山聖央(まつやま・まお)
北海道立近代美術館学芸員。北海道大学大学院文学研究科博士課程中退。おもな企画展に「ミュシャ財団秘蔵 ミュシャ展―パリの夢 モラヴィアの祈り」(2014年)、「片岡球子 本画とスケッチで探る画業のひみつ」(2017年)など(以上、北海道立近代美術館)。近著に調査報告「エミール・ガレのドイツへの出品作品に関する研究(1) 第7 回ミュンヘン国際芸術展(1897年)および国際芸術展「分離派」(1898年)について」(北海道立近代美術館等 編集 2017年)がある。

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