大大阪モダン建築 監修:橋爪紳也  

◆定価:本体1,600円+消費税  部 
 


輝きの原点、建築のウォッチングを楽しむための本格的ガイドブック!

かつて大阪は、東京を凌ぎ、我が国初の 200 万都市へと成長した時代がありました。今から僅か80年程まえ、大正時代後半のことでした。大阪は近世以来、商業、紡績、鉄鋼など、あらゆる産業が栄え、豊かな経済力によって、モダンで活力ある文化が開花しました。
そして大阪の近代都市を形成したのが様々な近代建築でした。 本書では、建築、都市、地域に関心をもつ一般読者を対象に、大阪のモダン建築の特色と見所を美しいカラーと平易な解説で紹介します。

代表的建築物をはじめ、往時の香りをまとい、ゆるやかに流れるカフェやレストラン。こころを贅沢にする、古き良き時代の空間など。今なお息づく洋館を訪れる見所満載のガイドブックです。

掲載エリア:中之島、大阪城、船場、西船場、心斎橋・難波・天王寺、天保山。

◆監修:橋爪紳也(大阪市立大学都市研究プラザ教授
◆判型:B6判 ◆並製 ◆総頁:176頁 ◆定価:1,680円(本体1,600円+消費税)
◆ISBN 978-4-86152-128-7 C0052





● 書評掲載 ●


華の都「大大阪」ご案内

「大大阪」といわれた時代に建てられ今も大阪市内に残る近代建築のガイド本「大大阪モダン建築」が青幻舎から出版された。大正14年の市域拡大で大阪が人口・面積ともに日本一となり、経済、文化、芸術が花開いた大阪の黄金期。当時のモダンさや華やかさなど、時代の空気を感じさせる建物が紹介されている。

取り上げているのは大大阪時代を中心に、明治から戦前までの建物79件。
中之島、船場、大阪城など6つの地域に分け、写真と文章で紹介している。
筆者は、近代建築の活用方法を考える市民グループ「大オオサカまち基盤」のメンバーで、建築家の高岡伸一さん(37)と著述家の三木学さん(34)。

空家になっていた近代建築を再生させたり、オーナーを招いて建物についての話を聞くなど活動する中で、それまでただ作品として鑑賞していた建物一つ一つに物語があり、雄弁に大阪の歴史を語っていることに気づいたという。

本でも、建てられた時代背景やたどってきた歴史を解説。大正12年に3階建ての小さなホテルとして開業した「伏見ビル」(中央区伏見町)や、かつての大阪のメーンストリートである堺筋に面した、アール・デコスタイルの「生駒ビルヂング」(中央区平野町)などを紹介。
「調べるごとに、建物を通して大阪の文化や歴史が浮かび上がってきた」と高岡さんは話す。
また、近代建築巡りに便利なように、内部見学の可否や、カフェやレストランの有無などを盛り込んでいる。「近代建築は好きで興味はあるけれど、専門家じゃない。そんな中途半端な僕らが書いた本。読み物として、ガイドとして気軽に楽しんでほしい」と話している。

―2007年11月29日 産経新聞




文化面連載「モダン大阪 商都の建築散歩」で写真を担当した建築家で大阪市立大都市研究プラザ特任講師の高岡伸一氏と、著述家の三木学氏の編者。
監修は、建築士家で元大阪市立大学教授の橋爪伸也氏。

大阪市は1925年(大正14年)、隣接町村を合併して人口200万人を超え、東京をしのいで世界6位の大都市となった。
東洋一の商工地としてにぎわい、 「大大阪」が誕生したその時代、モダンな外観の建築が建設された。
現代ではレトロに思えるそれらの近代建築に対し、近年は再評価も進んでおり、橋爪氏は「近代建築を通じて明らかになる往時の都市文化や経済状況の総体への関心を持ってほしい」と述べている。

この本は「大大阪」時代の建築ガイド。ネオ・ルネサンス様式やアール・デコなど今も残る約80の近代の名建築を、中之島、船場など六つの地域に分け、カラー写真と解説文で紹介している。
本を片手に、かつてモダンシティーだった大阪のまちを想像するのも楽しい。
辰野金吾、片岡安ら建築家たちの歴史や、建築年表、地図もついている。

―2007年11月27日 読売新聞(夕刊)






大阪市内中心部に建つ近代建築を紹介する、ハンディなガイドブック。
1925年、大阪は人口200万人を超えて世界6位の大都市となった。
当時、商工業が盛んであったこの途上の街は、「大大阪(だいおおさか)」と呼ばれた。
大大阪には、新しい構造とデザインによる近代建築が数多く建てられた。
中小資本家による大大阪モダン建築の誕生である。
辰野金吾、片岡安、渡辺節、安井武雄ほか、その名が知れた建築家たちがフルに才能を発揮し、表現した建築が市内のそこここに今でも見られる。
現在、大阪では他の都市と同様に、歴史的建造物の再評価が多くなされ、現代的用途へのコンバージョンが多い。
本書を片手に、大大阪の街歩きをするのも面白い。

―2007年12月号 新建築『新刊紹介』





京都在住の私にとって大阪は近くて遠い街である。出かけるのは月にいちどあるかないか。しかもたいてい、用事を済ませてしまえば寄り道するでもなく帰路についてしまう。京阪電車の特急で五十分、この、いつでも行けるという近さのために、あらためて大阪を遊ぼうという気になれないでいたのだが、本書をめくるうちにその思いもあらためられた。

東京を凌ぐ世界の商都して、大阪が「大大阪」と呼び習わされたのは大正末から昭和十年代。その、モダンシティ大阪を彩った建築たちを中心に、近代以降の西洋建築が紹介されるこのガイドブックと共に、大阪の街を歩いてみたい。(中略)

本書は、2004年の旧三井住友銀行船場支店の解体をきっかけに、「消えゆく近代建築に意義申し立て」、「大大阪の近代建築の再活用を大阪の街づくりの基盤」としようという「大オオサカまち基盤」というグループのメンバーが中心となって編まれた。グループはこれまで、数々の調査やシンポジウム、イベントの開催を遂げてきており、その活動をざっと見渡しただけでも、大阪人がうらやましくなってくる。

本書の監修をとつとめ、近代化遺産が取り沙汰されるようになった九十年代に先駆け、街と建築をめぐる「大阪の近代」を追いかけてきた橋爪伸也氏は、このグループの「ご意見番」でもある。(中略)

かたちのあるものを壊し、新しいものを拵えてゆくことばかりでは、都市はいつまでたっても成熟しないと、みんなもうとうに気づいているではないか。

http://booklog.kinokuniya.co.jp/

―2007年10月26日(金) 文筆家・ 近代ナリコ 書評空間より