青幻舎WEBマガジン
FOLK TOYs NIPPON にっぽんの郷土玩具 横田百合のオトンコレクション
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#10 「鳥取 柳屋さんの郷土玩具」

鳥取の張子は江戸後期 天明年間に作られ始めました。
大正中頃に最盛期を迎えますがその後廃絶。
しかしながら昭和の初め頃、柳屋の初代 田中達之助さんが
残された資料を基に次々と復元。
新たに自ら創作されたものも加え、
娘さん夫婦の田中勤二さん、宮子さんご夫妻に受け継がれ、
柳屋さんの郷土玩具は鳥取を代表するものとなりました。

きりん獅子(張子)

きりん獅子(張子)

因幡地方の神社の祭礼で舞われる獅子舞の頭を模したもの。
黒い一本角を持った獅子舞は全国でもここだけです。
中国の想像上の動物、麒麟に似ていることからこの名で呼ばれます。
後ろに付いた紐をひっぱると口をパカパカと開け閉めします。

きりん獅子にまつわる張子のお面です。

猩々 しょうじょう 鼻たれ ぬけ

左/ 猩々 しょうじょう
町をねり歩くきりん獅子を先導します。 猩々も元は中国の想像上の動物、お酒が好きで赤い色をしていますが その赤で悪疫を追い払い、道を清めてゆくのです。

中/ 鼻たれ
行列中で青の鼻たれ面をかぶれば、いかなる悪口を云っても良し、とされていたそうです。 この顔で悪口を言われても腹が立たないということでしょうか。

右/ ぬけ
目と口だけ切り抜いた黄色の木綿袋をかぶった大男が 行列の先頭を、危なくないように道を広げていました。これをお面にしたものです。シンプルさがとてもモダンに映ります。

因幡五狐

因幡五狐

因幡地方に伝わる民話を元にした張子。
高さ6~7cmと小さいながらも
とても精巧に作られています。

左上/おとん女郎 右上/経蔵坊 真中/しょろしょろ狐
左下/恩志の狐 右下/尾無し狐

4面かぶり おかめとひょっとこ 布・紙・竹製

下の竹串を動かすと腕が上下し、面をかぶったり取ったり。
明治末頃、物売りが手に持っておもしろおかしく囃しながら売り歩いていたそうです。
ほかに 天狗・鬼・きつね・さるなども。
着物の裾に使われている黒い繻子などは近年では昔ながらのものを手に入れるのも難しくなってきたようです。

4面かぶり おかめとひょっとこ 布・紙・竹製

4面かぶり おかめとひょっとこ 布・紙・竹製

堂内天神 土人形

堂内天神  土人形











天神の回でも登場していましたが、こちらも柳屋さんで作られていたとは気づいていませんでした。
高さ6cmほどです。真っ赤な色は子どもの疱瘡除けの色。元気で賢い子に。

柳屋さんの郷土玩具は、種類が豊富で使う素材もさまざま。
要蔵でこ、田舎雛、紙軍艦,八上羽子板、大吉ごま、板馬、凧、きびがらの姉様、首振り虎、
素朴で郷土色豊かなものや、やさしくかわいらしい色合いのもの、愛らしい表情のもの、、、
数えきれないほどです。

そんな、鳥取の郷土玩具をとても魅力的に今に伝えてこられた柳屋さんですが、
この3月で工房を閉じられたそうです。

とても寂しく残念でなりませんが、 柳屋さんが素敵な郷土玩具をたくさん残してくださったおかげで
いつの日かまた蘇らせる方が現れるんじゃないかと信じています。
柳屋さんが消えゆく郷土玩具を惜しんで、復元されたように。

ありがとう、柳屋さん。

現在、鳥取のわらべ館で7月13日まで
企画展「鳥取の郷土玩具ー柳屋さんの愛らしきものー」が開催されています。
90点におよぶ作品で柳屋86年の足あとをたどることができるそうです。
http://www.warabe.or.jp/exhibition/2_omocha.html

プロフール

横田百合のオトン

横田百合のオトン

昭和2年生まれの現在86歳。
奈良県在住。
30代で郷土玩具の魅力に目覚める。現地を旅したり、物産展に足繁く通ったり、日本郷土玩具の会に入ったりしながら、マイペースながらも集めた数は700点あまり。

横田百合

実家でオトンと二人で暮らすなか、40代で郷土玩具に目覚める。instagram(@yuriplus)にオトンの郷土玩具コレクションをオトンコレクションとして約1年、ほぼ毎日2点のペースで投稿。大阪玉造バンコにて2012年オトンコレクション「こけし展」、2013年オトンコレクション「はりこ展」を開催。2014年京都マヤルカ古書店にてオトンコレクション「写真展」を開催。大阪こけし教室会員。

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