「京都新聞」 ―2008年6月16日号
鎌倉時代の軍記物語「源平盛衰記」をすべて網羅した絵巻が個人宅から発見された。
この絵巻の監修を依頼された時、「盛衰記」を絵画化した唯一無二の資料だったため、
私はその貴重さに驚いた。
出版を通しての初公開となるが、 文学や美術関連の研究者でも注目されるに違いない。
(中略)
「盛衰記」を四巻ずつまとめて十二巻に再構成し、十二軸の巻物に収めている。
各巻二十から二十七章段をとりあげて、絵画化し、絵は連続しながら展開していく。
綿密である画風は変わらず、指導者が率いる画家集団の制作と思われ、江戸時代前期作と
推察されている。
絵巻の本文は、おそらく1665(寛文5)年以後に出たひらがな製版本に
より、創作したと思われるが、
いずれにせよ名品に間違いない。
細部の研究はまだこれからだが、軍記物語の研究に大きな役割を果たすに違いない。
加美宏(同志社大学名誉教授・中世軍記文学)

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